統合失調症の原因(仮説)

統合失調症が発症する根本的な原因は未だ不明とされており、仮説としては脳の代謝異常や、心理社会的なストレスなどによるものと考えられています。脳に障害が発生することが要因となっているとの仮説もありますが、その仕組みや過程は未だ明確となっていないため、仮説の域を出ていません。
原因の主な仮説としては、以下のものを挙げることができます。

ドーパミン仮説

脳内にある中脳辺縁系におけるドーパミンが過剰となり、それが原因で統合失調症に特有の“妄想”や““幻覚”といった症状を引き起こしているという仮説です。もっとも、ドーパミン遮断剤を投与した後に効果が現れるまでにかかる期間の関係などから、神経生物学者からは批判の声も多くあります。

アドレノクロム仮説

アドレノクロムが過剰となり、それが原因で統合失調症を引き起こしているという仮説です。この仮説によれば、ナイアシンを多量に摂取することで症状は回復に向かうとされています。もっとも、現在の日本の精神医学界では否定的とされています。

グルタミン酸仮説

グルタミン酸受容体の異常により、統合失調症の症状が引き起こされているという仮説です。従来の抗精神病薬と、グルタミン酸受容体作動薬であるグリシン、D-サイクロセリン、D-セリンを同時に投薬することで、抗精神病薬を単独で投薬した場合と比較し、統合失調症における陰性症状や認知機能障害が改善されるということが欧米を中心に報告されています。

カルシニューリン系遺伝子の異常説

複数のカルシニューリン系遺伝子の変異が統合失調症の症状を引き起こしている可能性があるとする仮説です。なお、中枢神経系に多く見られる酵素であるカルシニューリンには、グルタミンやドーパミンによってなされる神経伝達を調整する作用があります。

発達障害仮説

統合失調症を引き起こす原因の一つとして、胎児期における脳神経系の発達障害を挙げている仮説です。マウスを用いた実験において、脳内で神経系の成長を促す『DISC1』を一時的に機能しないようにした結果、成長したマウスは統合失調症による症状を再現したとされています。
もっとも、脳に異常があったために症状を発症したのか、それとも症状を発症したから脳に異常をきたしたのかについては区別が困難となっているため、仮説の域を出ないものとなっています。

ストレス-脆弱性モデル

ストレスに対して免疫力が弱いことが原因となり、統合失調症を引き起こしているという仮説です。この仮説によれば、ストレスの量が個々人の抗病的閾値を超えることで発病するとされています。もっとも、この説については詳細に論じられてはいないため、仮説の域を出ないものとなっています。

栄養学仮説

身体の成長、および健康の維持に必要な栄養素を十分に確保することができていないことから発症するとしている仮説です。なお、栄養学は医科大学において履修の分野となっていないため、精神医学の観点からは病状と栄養の関連性は着目されにくいものとなっています。もっとも、国外においては、栄養と病状の関係は、臨床効果および治療の実績が明確となっているとされています。

心因説

幼少期に両親から相反する教育を受けた場合に、それらに応えることができないことから発病に至るとする仮説です。しかしこの仮説は、研究によって否定されており、上記の要因は病状の悪化要因となることはあっても原因ではないというのが通説となっています。

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